ネズミが家にいる～！

という、怯えきった小5の娘からの電話が会社にいる私の携帯電話に入ったのが、１３日の金曜日の午後４時頃。

こういう時に限って、普段家にいる上さんは韓国旅行中。
（なので早めに帰宅する予定を予め組んでいたことが後々役に立った）

とにかく落ち着かせて詳しく話を聞くと、我が家のキッチンの入り口付近の壁にへばりつくように黒い毛を生やした尻尾の長い、体調１５センチ前後の生き物がおり、チューチュー鳴いており、怖くて近づくことができないらしい。

ネズミに噛まれてペスト（ありえんが）にでもなったら大変だと、至急隣に住んでいる両親、妹に電話するが、こういう時に限って誰もいない。やっと妹の電話につながったので、家で寝ていた（つまり寝ていて電話に出なかったようだ）高校生の甥っ子を至急我が家に派遣してもらった。

ところが、この甥っ子が生き物が大の苦手・・・娘以上に近づくことすらできない

そこで娘から、再度のヘルプ要請の電話が来たので、今度は我が家のビルの管理人さんに急行してもらうことに・・・・・さすがに管理人は害虫駆除等のエキスパート。ひょいとその黒い生物をとりあげて一言。

“これはネズミではありませんね。犬です。”

え～～～～

そして害虫駆除のエキスパートだからなのか？

“処分するなら私の方でやりますよ。”

ダメですダメです
娘は慌てて管理人から、恐ろしくて近づくことすらできなかった黒い物体をひったくるように奪い返したらしい。

再度娘から電話をもらった私も会社で思わず。

え～～～～

状態をさらに詳しく聞くと体が冷え切っているとのこと。
おもわず１０１匹わんちゃんの名場面（＝死産したと思われた仔犬を毛布で来るんで擦って暖めると生き返る）を思い出して、娘にすぐ毛布で包んで車で動物病院に連れて行くよう指示。

ところが車を運転する人がいない。
妹に再度電話し、友人宅から至急帰って動物病院へ直行してもらうことに。

そこで、初めて“これは誰の仔犬なのだろう？何で我が家に？”との疑問がわく。

我が家はオートロックのビルの３階。野良犬が来て仔犬を産み落とすことができたとしたら、その犬は壁抜けの業をもっているに違いない。

そこで、可能性としてもっとも高い（というか他に可能性はないのだが）我が家の２頭のヨーキーの姿を目に浮かべると、数ヶ月前にラッキーがアリスに向かって息をハアハアさせていたことを思い出した。同時に犬は一回でOKとのペット情報誌の記事を思い出す。

アリスのお腹はまったく変化していなかった（ように見えた）し、ツワリとかもなく普段と変わりなくここ数ヶ月すごしていたので気づかなかったらしい。
（後に獣医様に確認したところ、犬には珍しく一匹しか生まなかったので変化が少なかったのだろうとのこと）

しかもアリスは去年の４月生まれまだ一歳にもなっていない

そして哀れにも飼い主が誰もいないケージの中で仔犬を生んだのだった。そして精魂使い果たしたアリスが眠りこけている間に、仔犬はケージを這い出してキッチンの前まで冷たい床を這いずってきていたのだ。

会社を早めに出て家に向かう電車のなかで、心の中で仔犬の無事を祈りつつ、アリスに飼い主の無責任を詫びる。

そこに娘からまた電話が・・・

“赤ちゃん、元気になったよ。アリスも元気だよ。”

おお神様仏様

家に着いた私は、そんな黒い生き物ならぬラッキーとアリスの子に初対面。



お～。か、か、かわいいやん

韓国の上さんに電話したら絶叫。全寮制の学校にいる息子はどっからか犬が入り込んだのではないか？という疑いをいまだに拭い切れていない。

とにかく一番ビックリしたのは学校から帰ってきて一連の対応をした娘だろう。獣医さんによると、娘が帰るのが後一時間遅かったら体温低下で助からなかっただろうとのこと。

命名権は娘にあげよう

以来私は、罪滅ぼしというわけではないが、旅行中の上さんに代わって、あまり母乳が出ないアリスに代わって、乳母代わりに３～４時間ごとにミルクをあげて、ガーゼで刺激しておしっこやウンチをさせて、この２日間は乳母状態。



生後すぐに低体温になったので障害を心配したが今のところ元気なので心配はあまりいらないだろうとの獣医様のありがたいお言葉。

生後１０日生き延びるとその後の生存率はグッとたかくなるらしいので、そこがとりあえずの目標だ。

アリスは超ヤンママなのにもかかわらず、幸いにして体調は良好（本当に良かったよ～アリスすまん！）で、自分の乳をチビ（とりあえずの名前）に含ませて、チビの体を甲斐甲斐しく舐めてやっている。ラッキーが近づくとのように吠える。母性本能というのはスゴイと関心。



いや～、でも本当にビックリした～